心底、不思議。~毒舌カナタとひねくれみーちゃん~
もしかして。




もしかしてだけど、万が一にも、カナタがにこにこわくわくしてたら、どうしよう。







そんな恐怖半分、好奇心半分の気持ちでカナタの様子を窺っていると。






くるり、とカナタがこっちに目を向けてきた。







「ぅげこっ」







思わず、轢かれた蛙みたいな声が出てしまった。






たぶん、カナタには聞こえてない、と思うけど。






カナタは相変わらずの無表情で、こっちをじっと見つめている。







あたしはソファの上でやけに背筋の伸びた体育座りをしたまま、じっと見つめ返す。








………あのぉ、カナタさん?





行かなくていいんですか?








トミタハルコが、待ってるんじゃございませんか?







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