心底、不思議。~毒舌カナタとひねくれみーちゃん~
………まぁ、仕方ない、あたしが大人になるしかないね。





こーゆー融通のきかない奴を相手にしてると、どーもこっちが人間的に成長するね。







「ごめんごめん、あたしが間違ってたよ。


売り言葉に買い言葉ってやつ。


カナタさま、どーか忘れてください」







あたしは殊勝な態度で頭を下げるふりをしてあげた。






それなのにカナタはまだ不機嫌そうな顔で、小さく言う。







「………なんかちょっと上から目線のような気がして、ものすごく気に入らないんだけど」






「そんなことないって!

たしかにカナタの言うとおりだもん。

だから反論はいたしません」






「ってことは、みーちゃんは夏休みの宿題をしっかりやるってことだね」






「うっ!!」






「あれ? 僕の言ってること、なにか間違ってる?」






「いえ、滅相もございません……」







というわけで、結局あたしはカナタに言いくるめられて、宿題に勤しむ羽目になったのだった。







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