心底、不思議。~毒舌カナタとひねくれみーちゃん~
「ちょっと美遊? 聞いてるの?

ちゃんと電話かけ直したの?

まだなの?」







苛立ったようなお母さんの声に、あたしは「……あ、うん、まだ……」とぼんやり答えた。






「まったくもう、適当なんだから、あんたは……。

早く連絡とらなきゃだめよ」





「……うん、わかった……」






あたしは小さく答えて、そのままお風呂にむかった。





湯槽はすっかり空だったから、シャワーを浴びることにする。



シャンプーを手に取り、ごしごしと髪を洗う。







………あぁ、ほんと、だめだな、あたし。





なんでこう、何かに気をとられるとすぐに他のこと、しかも大事なことを忘れちゃうんだろう………。






加賀さんの行動は、なんていうか、だんだんとあたしの予想を上回るようになってきてる。






まさか、家の電話にまでかけてくるなんて………。






なんとかしなきゃ。




やっぱり、真名子に任せてるだけじゃだめだ。





直接会って、自分で話をつけなきゃ。






知らず知らずのうちに、ふぅ、と溜め息が出る。




あたしは髪を洗い流して身体をさっと洗い、お風呂を出た。






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