心底、不思議。~毒舌カナタとひねくれみーちゃん~
「みーちゃん………。



申し訳ないけど。


みーちゃんの数学的知識と能力は、正直、僕の手には負えないレベルだよ。



まさか高校生にもなって、因数分解さえ分からないなんて………。


そんな人間がこんな身近にいるとは、思いも寄らなかった。



ほんと、みーちゃんって、よくF高に入れたよね。


心底、不思議だよ。




その運の強さだけは尊敬に値するよ。


脱帽ものだね。




ただし。


このままの学力で単位を修得して次学年に進級し、さらには卒業するだなんて、甘すぎる展望だよ。



これは別に嫌味とか脅しとかじゃないけどさ、十中八九、みーちゃんには進級も卒業も無理だと思う。




学校側から留年を言い渡されるまえに、自ら退学を申し出ることを勧めるよ」








カナタは憐れむような瞳であたしを見つめながら、ぺらぺらとそう言った。








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