心底、不思議。~毒舌カナタとひねくれみーちゃん~
いや、その本の内容はよく分かりましたけど。






「………なんであんたが、そんな本読んでんのよ?」






あたしが若干引きながら訊くと、カナタはきょとんとした顔になる。






「え? 特に意図はないけど。



まあ、先生たちの授業が、どうにも効率が悪いと思って。


っていうかさ、時間の無駄が多いと思わない?



例えば、古典の授業とかね。


先生が黒板に本文うつしてる間、僕らは予習で既にノートに本文うつしてあるわけで、待ってるしかないから、時間を持て余してるわけでしょ?



そこで僕は考えたんだ。


例えば、先生があらかじめパワーポイントとかで本文を打ち込んだファイルを作っておくとする。


それをプロジェクターで黒板に映して、すぐに文法解釈とかを書き込むようにすれば、先生は授業中に本文を書く手間が省けるし、僕らは待つ時間がなくなる。



ほら、一石二鳥でしょ?」






カナタはなんかきらきらした目で語った。






「………は、はぁ。なるほどね………」







って言うしかないよね、あたしは。







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