心底、不思議。~毒舌カナタとひねくれみーちゃん~
……………いやいやいや。



なんか便利そーなのは、よぉーく分かったけどさ。




なんであんたが、そんなこと本気で考える必要があるよ?




そんなあたしの疑問が届いたようで、カナタはにやりと笑う。







「それで、僕考えたんだけど」







うわー、嫌な予感しかしない!!







「このICT活用の方法について、平均年齢45歳超の高齢化社会・F高の先生方にも分かるように、ひとつ資料をつくろうと思ってるんだ。


それを、話の分かりそうな先生………そうだなぁ、三木先生あたりに渡して、職員会議で配布してもらおうと思って。



そうしたら、昨今の情報化社会において進化を続ける教育技術の面で大幅に遅れをとってるF高の授業も、飛躍的に改善されるんじゃないかな」









………………。





カナタさま。






あなた、毎日そんなことばっか考えてんですか?





一生徒の分際で、教師の授業における技術革新を図るとは………。





歴史上の偉人かよっ。




革命家かよっ!!






あたしが呆れ返ってるのにも構わず、カナタはまた『ICTなんちゃら』なる書物に視線を落とした。





あー、こうなると、常軌を逸する集中力の持ち主カナタさまは、しばらく話にならないんだよね。




あたしは仕方なくストローをちゅうちゅう言わせながら、カナタを眺めるしかなかった。






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