心底、不思議。~毒舌カナタとひねくれみーちゃん~
校長講話、表彰式、諸連絡等々が終わり、生徒たちががやがやと教室に向かう。






その様子を尻目に、あたしは隣を歩くカナタを見上げ、訊いてみることにした。






「ね、カナタ、あんたさー」





「ん?」





「なんで、校長のつまんない話を、あーんなに一生懸命に聞けるわけ?」







するとカナタは、あなた何いってんの的な視線を送ってきた。




そして、少し目を見開くようにして、持論を語り始める。







「そんなの、みーちゃんや、他のみんなのほうがおかしいんだよ。


だって、人の話を聞く時に、俯いたり、足を広げたり、それにとどまらず身体をふらつかたりするのは、あまりにも無礼でしょ?



そんなの、小学生でも分かりそうなものだけど。



それなのに、県下で最も頭の良い子どもたちが集まってるはずのこの高校で、生徒たちがああいう態度で全校朝礼に参加してるっていうのは、」






「心底、不思議?」







結論を先取りしてみた。




カナタがにんまり笑う。






「よく分かってるじゃない」







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