やさしい手のひら・中編【完結】
リビングに入り、鞄を放り投げ、私はすぐ健太に電話をした

・・・・繋がらない

もう一度携帯を切り、掛け直した

・・・・やっぱり繋がらない

また後で掛け直そうと思い、放り投げていた鞄を広い、キッチンへ行き頭痛薬を飲んだ

2時を過ぎていて、また今日も短大へ行けなかった。明日こそは絶対に行かないといけない

頭も痛いし、ちょっとだけ寝よう・・・

そう思い私はベットに入り、眠ってしまった


夢の中で誰なのか、わからないけど私に手を差し出している。私はそれを掴みたくて、掴もうとしているのにその手を掴めない。だんだん遠くへ行ってしまう手を必死になって追いかけている。でも掴んだ、と思った時にはその人もその人の手も私の前から消えていた

「健太っ!」

ハッと目を覚まし、今のは現実なのか夢なのかはっきりしないいまま、体を起こした

「夢か・・・」

体中、汗をかいていてた

「携帯・・」

枕元に置いておいたはずの携帯がない。リビングに行くとソファの上に転がっていた。私は枕元に持っていくのを忘れたみたいだった。健太から連絡が・・・と思い携帯を開いてみると

「健太・・・」

ディスプレイに健太の名前があった。健太は電話をくれていた

また、健太の電話に出れなかった

このタイミングの悪さに私もがっかりしてしまった。どうして話せないの?明日帰って来るのに、楽しみにしているのに・・・

でもきっと、また後で連絡は来る。待ってみよう

私は携帯を離さず、ポケットの中に入れておいた

掃除も終わり、何もすることがなく、思い出したかのようにテレビをつけた

歌番組はやっていないだろうか・・・そう思いリモコンのチャンネルを押す

これと言って見たい物もなくて何をしようか悩み

「CD買いに行こう」

と思い、財布と携帯だけを持ち、近くのCDショップへと出掛けた

何を買うのかはもう決まっていた

「あった」

BlacksのCD。一度も聞いたことがなく、ゆっくり聞きたいと思っていた

何枚か出ているシングルとアルバム。全部は買えないので一番最初に出てたアルバムを取り、このアルバムを買うことに決めた
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