やさしい手のひら・中編【完結】
「着いたよ」

窓から見た、お店はパスタのお店で外国を思わせるような建物だった

「こんばんわ」

親しい店なのか、挨拶をして新くんは店に入って行った

「いらっしゃい」

とカウンターで外人のおじさんがこちらを見ながら微笑んだ

「お前が女の子連れて来るなんて初めてじゃないのか?」

「余計なことはいいから。ここのマスターで俺のおじさん」

「亜美です」

「きれいな子だね、新のこれかい?」

と、おじさんは小指を立てた

「ち、違います」

ハハハ、とおじさんは笑っている 

「座って」

新くんが椅子を引いてくれたので、私はそこに座った

「最近、一緒にモデルの仕事してるんだ」

「きれいだと思ったらモデルさんなんだね」

マスターと新くんが話しをしている間、やはり健太のことが気になり、携帯を開いて見ていた

「携帯ばっかり見るなよ」

「あ、ごめん」

「何食べてる?」

私にメニューを見せ、ここのお店で一番人気のパスタを勧められ、私はそれに決め、グラスに入った水をゆっくりと喉に流した

「カクテル飲む?」

私はカクテルを飲んだことがないので断ると、マスターが

「亜美ちゃんに似合うカクテルがあるんだよ」

と、きれいなピンク色でチェリーが乗っていて、うっすら泡が立ち、かわいいカクテルグラスに入れて、私に「どうぞ」と言って目の前に置いてくれた

「私が飲んで良いんですか?」

「亜美ちゃんみたいなカクテルでしょ」

とマスターがこのカクテルの名前などを詳しく教えてくれた

< 118 / 388 >

この作品をシェア

pagetop