やさしい手のひら・中編【完結】
「おっ!お二人さん、揃ってるね」

小西さんに声を掛けられ、私達が出演するCMを見せてくれると言うことだった

会議室に呼ばれ、試写会のような感じで会議室が真っ暗で大きなスクリーンがあった

「さあ、座って」

私と新くんは一番前の椅子に座らされた

「みんな集まったとこで、新と亜美ちゃんのCMの観覧を始めようと思う」

そう言った後、すぐにスクリーンが明るくなった

どんな風になっているのか、不安と期待でいっぱいだった。隣の新くんを見てみると、落ち着いていてスクリーンを黙って見ていた

私は瞬きもせずスクリーンに集中した

えっ?これは…

健太の歌声が流れたCMだった

私は新くんを見たけど、私を見てくれる訳でもなくスクリーンを見たままだった

スクリーンの私と新くんはお互いにふざけ合い、微笑み合い、そして見つめ合う。ウエディングドレスだけではなく、初めて撮影に来た日も撮られていたようで、ひとつのストーリーになっていて健太の曲にとっても合っていた

見終わった後、みんなが拍手をしてくれた

「これね、Blacksの新曲で、たまたま今回のCMに使われることになっていたみたいだよ」

小西さんはそう説明してくれた

偶然なのか必然なのか、まさかBlacksの曲が流れるとは思わなかった
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