やさしい手のひら・中編【完結】
「夏休みいつから?」

「来週からだよ」

「どっか行きたい所ある?」

「えっ?」

突然、行きたい所と言われて驚いてしまった

「3日間だけ休みもらえるんだ」

健太は嬉しそうに言った

「ほんと?」

「だからどっか行くか?」

「いいの?」

「当たり前じゃん」

私の頭をポンポンと軽く叩いた

私は嬉しくて、身を乗り出して健太の方を見た

「どこ行きたい?」

「うーん、悩む」

「メンバーみんなで順番で休むから早いとこ言わないとだめなんだ」

3日間で行ける所…

「北海道!函館!」

「北海道?まー、行けない距離ではないけどな。修学旅行から行ってないし。亜美が函館行きたいなら、俺はそれでいいよ」

「やったぁ!」

健太と函館山に行きたかったんだ

「じゃ、日程とかは俺決めていい?」

ウンウンとしつこいほど、私は頷いていた

「亜美、嬉しそうだな」

「だって嬉しいだもん」

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