やさしい手のひら・中編【完結】
レストランへ行き、

「好きなもの食べれ」

と、メニュー表を渡された

カタカナと英語ばかりのメニュー表で何がどんな食べ物なのかわからなくて悩んでいると

「食べたい物言って」

「うーん、スパゲティ」

「わかった」

ウエーターの人を呼んで、私の食べたい物を注文してくれた

ここでまた健太の凄さに驚いた。でもその半面、少し寂しい気がした。私の手の届かない所に健太がいる・・・

ウエーターの人が食べのものを持ってきてくれた

「食べよう」

健太はナイフも使わず、フォークだけでハンバーグを食べだした

「健太、ナイフ」

「めんどくせぇ。箸欲しいぐらい」

そう言って、がむしゃらに食べている

私がさっき思っていたことに気付いたのかもしれない

私が残したスパゲティまで食べてしまい、満足そうだった

「食ったー」

「食ったじゃなくて食べたでしょ」

そんな会話をして笑っていた

「函館山はあ夜行こうな」

私達は函館の町を散策して歩いた

芸能人の健太ではなく普通の男の人として一緒に歩いていた

東京から遠い所にいるという気持ちと黒髪にした健太が少しでもBlacksの健太に見えないという安心からか、楽しくて仕方がなかった

ソフトクリームを買ってもらい、おいしそうに食べている私のソフトクリームを取って食べたり、時間を忘れてしまうぐらい穏やかな一日だった
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