やさしい手のひら・中編【完結】
「どうした?」

ベットの横で新くんが心配そうな顔をして私を覗き込んでいた

「うん?」

顔を触ってみると目の周りが濡れていた

「お前また泣いてたぞ」

「ほんと?夢見たかな?」

「泣きべそ」

私の額をバシッと叩いた

「痛っー」

「お前汗かいてる。着替えろ」

「うん」

服を脱ごうとしたら新くんと目が合って

「なんでいるの?」

「俺?」

「うん」

「手伝おうかなって」

「もぉ、あっち行ってよー」

ハハハッと笑いながらあっちへ行ってくれた

私は急いでバックから着替え出し、着替えようとしたけど汗で脱ぎずらく、てこずっていた

「まだ?」

「ちょ、ちょっと待って」

やっと脱げたけど汗を拭かないと新しい服を着ても同じだと思い・・・

でもタオルがない・・・

「あ、新くん?」

「あー?」

「ちょっといきなり覗かないでよ!」

私はブラを服で隠し

「タオル貸してほしいんだけど・・」

「いいよ。待ってて」

どこかに取りに行ってくれてツカツカと私の前まで来た

「お前、ほんとすげー汗」

「う・・・ん」

「背中見せろ」

「えっ?」

「病人になんもしねーよ。背中拭いてやるから」

そう言って、私の背中を拭いてくれた。健太ではなく、新くんで・・私は変な汗がまた出る

カチッ

「キャアー」

ブラのホックを外され私はびっくりして悲鳴をあげた

「うるせーよ」

「だ、だ、だって」

「これも濡れてるから」

なんとか自分の手で胸を押さえ、見られないように隠した

「見ないで」

「見てない」

でも新くんの視線は私の顔ではなく胸を見ていて・・・

「着替えさせてよー」

「はいはい」

私に背中を向けた

新しい服に手を伸ばそうとした時、

「取れないの?」

新くんが振り向き、私の上半身は何もつけてなくて

「あっ、ごめん」

それだけ言って前を向き肩を震わせて笑っている

「お前からかってると、マジ楽しい」

私は服を着て、布団の中にうずくまった

「バカー」

ふくれっつらで布団の中で怒鳴った
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