やさしい手のひら・中編【完結】
朝、目を覚ますと隣に寝ていた健太はいなかった

健太がいた場所を触ってみると、もう冷たくなっていてかなり前にいなくなったことがわかる

だるさが残る体を起こし、私はリビングに行った

テーブルの上に手紙が置いてあり、私は手に取った

「無理しないでゆっくり休めよ。冷蔵庫にプリン入ってるから。夜電話するな」

そう書かれていた。短い文章だけど嬉しかった

熱は下がったけどなんとなく体が重く、たっぷり寝たはずなのにまだ眠たかった

ソファに座っていたら知らないうちにお腹を大事そうに包み込んでいる

私は何も考えず天井を見つめていた

午後から病院へ行くことになっているのでシャワーを浴びにお風呂場に行き、準備を始めた

ご飯も食べる気になれず、食べずに病院へ向かった
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