やさしい手のひら・中編【完結】
「ねぇ、亜美?」

「ん?」

「クラス会あるって知ってた?」

「えっ?知らないよ」

「高校の時一緒だった伊藤さんが実家に電話したみたい」

「へークラス会か・・・」

「あっちに帰った時にあるみたいだよ」

「ふーん」

「行く?」

「うーん。どうしよう」

凌と坂下もいるかもしれない・・・

「もう当分クラス会ないと思うから行ってみようか」

「そうなんだ・・・」

「ねっ、行こうよ」

「坂下来るかもよ」

由里の方をゆっくり見ると

「大丈夫。もうぜんぜん平気」

と笑っていた

「そうだね、みんなにも会いたいよね」

「でしょー。決まりね」

体調が良ければ行って見よう・・・

「今日、祐介達早く帰ってくるみたいだよ」

「ほんと?健太何も言ってなかったなぁ・・・」

「たまに健太くんだげインタビューとかあるんでしょ?」

「うーん。どうなんだろ?健太あまり仕事の話しないんだよね」

「愚痴を言わないんだね、健太くん」

「うん。私が聞かないからかな」

祐介くんは由里になんでも話しているのかな・・・

「これからもっと忙しくなるんだね」

「クリスマス前からはもう会えないんじゃないかな」

クリスマスは一人なのだろうか・・・ちょっと寂しくなった

「私がいるでしょ」

と由里が私の頭をポンポンと叩いた

「そうだね」

久しぶりに会ったので話しに夢中になっていると、あっという間に時間が過ぎていった

祐介くんから電話が入り、迎えに来てもらい由里は帰って行った

シーンとなった部屋で一人になると寂しさが増す

お腹に手を当てて、私はお腹の赤ちゃんに話かける

電話をくれるはずの健太から電話が来ない。祐介くんはとっくの前に仕事が終わっているのに・・・

健太だけ仕事なのかな・・・

そんなこと考えていたら私はソファで眠ってしまっていた
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