やさしい手のひら・中編【完結】
由里が壁の方を向いて泣いている
「亜美、流産したこと信じたくないんだよな」
私の乱れた髪を直しながら眠った私に凌は話し掛けた
「亜美が幸せなら俺は亜美を諦めようって決めたんだ。でもよ、亜美がこんなに苦しんでいる時に川崎さん来ないじゃん。妊娠していたことも知らなくて、あんな写真撮られて、亜美一人で悩んで…俺はこうなるために亜美を諦めた訳じゃねぇんだよ」
凌は拳を握りしめた
「川崎さんにはもう渡せられない」
決意したかのように私を見つめていた
トントン
誰かがノックし
「はい」
由里が返事をした
「亜美ちゃんは?」
祐介くんだった。由里はすぐ祐介くんに駆け寄り、祐介くんの胸で泣きじゃくった
「亜美ちゃんが手術って?どこが悪いんだ?」
「流産しちゃっ…た」
「流…産?亜美ちゃん妊娠してたのか?このこと健太知らない…よな?」
うん、と由里は頷き
「あいつと連絡取れないんだ。たぶん今回の件で社長が怒ってホテルかどっかに監禁してると思う。取材陣が健太を追ってるんだ」
「じゃ、留守電も聞いてないってこと?」
「たぶんな…」
「そんな…」
由里は何もしてあげれない自分に悔しくなり涙を流し続けた
「亜美、流産したこと信じたくないんだよな」
私の乱れた髪を直しながら眠った私に凌は話し掛けた
「亜美が幸せなら俺は亜美を諦めようって決めたんだ。でもよ、亜美がこんなに苦しんでいる時に川崎さん来ないじゃん。妊娠していたことも知らなくて、あんな写真撮られて、亜美一人で悩んで…俺はこうなるために亜美を諦めた訳じゃねぇんだよ」
凌は拳を握りしめた
「川崎さんにはもう渡せられない」
決意したかのように私を見つめていた
トントン
誰かがノックし
「はい」
由里が返事をした
「亜美ちゃんは?」
祐介くんだった。由里はすぐ祐介くんに駆け寄り、祐介くんの胸で泣きじゃくった
「亜美ちゃんが手術って?どこが悪いんだ?」
「流産しちゃっ…た」
「流…産?亜美ちゃん妊娠してたのか?このこと健太知らない…よな?」
うん、と由里は頷き
「あいつと連絡取れないんだ。たぶん今回の件で社長が怒ってホテルかどっかに監禁してると思う。取材陣が健太を追ってるんだ」
「じゃ、留守電も聞いてないってこと?」
「たぶんな…」
「そんな…」
由里は何もしてあげれない自分に悔しくなり涙を流し続けた