やさしい手のひら・中編【完結】
夜中の0時を過ぎ、クリスマスイヴとなった

私にとって一番悲しいクリスマスイヴとなってしまった

「俺、亜美に付いてるから今日は帰った方がいい」

凌が由里に言うと

「ううん。亜美の傍にいたいから帰らない」

亜美に何もしてあげれなかったからせめて傍にいてあげたい、由里はそう思った

「祐介仕事は?」

「健太がいないから明日の予定はまだわからない」

「疲れてるんだから帰ったら?」

「帰れる訳ないだろ。由里の友達でもあるけど健太の彼女だ」

「どうして健太くんのマンションに佐原樹里がいたの?」

由里は真実を聞きたくて祐介くんに聞いた

凌も聞きたかったのか祐介くんの方を見た

「俺達誰も知らないんだ。由里を亜美ちゃんのマンションに迎えに行った日は、健太だけまだ取材の仕事が入っていたんだ。だから取材が終わってからのことだとは思うんだけど、どうして佐原樹里と一緒なのか俺達もわからないんだ…」

「あんなに亜美を大事にしていたのに…」

病室がシーンとなる

「イヤッー」

私は突然目が覚めた

「亜美」

ゆっくり呼ばれた方を向くと凌がいて、由里と祐介くんが私を悲しい目で見ていた

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