やさしい手のひら・中編【完結】
入院して3日目
いつものように凌が来て、椅子に座る。会話もなく今にも雪が降りそうな空を私は黙って見ていたんだ
ガラッ
いきなりドアが開いた
でも私はドアを見ることもなく、窓を見たままだった
ハアーハアー
「あ、亜美っ!」
聞き慣れた声・・・
でも今の私にはそんな声も届かず聞こえなかった
心を閉ざしてしまっていたから・・・
「ごめんな・・・ごめんな・・・」
と、私の手を握りながら謝る健太だった
椅子に座っていた凌は一瞬だけ健太を見たが、すぐまた雑誌に目を向けた
「亜美・・・辛い時にいてやれなくてごめんな」
健太の方を見ることもなく私は窓を見たまま
私は流産のショックと健太のことがショックで心に打撃を受け、記憶を失くしてしまっていた
「亜美、俺の声が聞こえないのか!?」
「川崎さん」
やっと凌が口を開いた
「亜美はショックの余りにしゃべれなくなって、記憶がないんですよ。今の亜美の頭の中は無なんです。何もかも閉ざしたままなんですよ」
「俺が・・・俺が・・亜美を・・・」
健太は私の隣で震えていた。自分のやってしまった愚かさが私を傷つけてしまったということで・・・
「亜美はあの日、妊娠しているのに裸足で何も着ないで外を何時間も彷徨っていたんです。それでお腹が冷え切ってしまい・・こういう結果になりました。産むことを次の日、病院に伝えるという決意で前向きになっていた矢先でした」
健太は何も言えなかった
「何してたんですか?どうして亜美を幸せにしてやれないんですか?」
凌が椅子から立ち上がり、健太の襟を掴んだ
「殴ってくれ・・亜美の痛みに比べたら・・・」
「ふざけんじゃねーよ」
凌は拳で健太の頬を思いっ切り殴り、健太の口の横から血が流れた
それでも凌はまた健太を掴み
「亜美が、亜美がどんな気持ちだったかわかってるのかよ!」
いつものように凌が来て、椅子に座る。会話もなく今にも雪が降りそうな空を私は黙って見ていたんだ
ガラッ
いきなりドアが開いた
でも私はドアを見ることもなく、窓を見たままだった
ハアーハアー
「あ、亜美っ!」
聞き慣れた声・・・
でも今の私にはそんな声も届かず聞こえなかった
心を閉ざしてしまっていたから・・・
「ごめんな・・・ごめんな・・・」
と、私の手を握りながら謝る健太だった
椅子に座っていた凌は一瞬だけ健太を見たが、すぐまた雑誌に目を向けた
「亜美・・・辛い時にいてやれなくてごめんな」
健太の方を見ることもなく私は窓を見たまま
私は流産のショックと健太のことがショックで心に打撃を受け、記憶を失くしてしまっていた
「亜美、俺の声が聞こえないのか!?」
「川崎さん」
やっと凌が口を開いた
「亜美はショックの余りにしゃべれなくなって、記憶がないんですよ。今の亜美の頭の中は無なんです。何もかも閉ざしたままなんですよ」
「俺が・・・俺が・・亜美を・・・」
健太は私の隣で震えていた。自分のやってしまった愚かさが私を傷つけてしまったということで・・・
「亜美はあの日、妊娠しているのに裸足で何も着ないで外を何時間も彷徨っていたんです。それでお腹が冷え切ってしまい・・こういう結果になりました。産むことを次の日、病院に伝えるという決意で前向きになっていた矢先でした」
健太は何も言えなかった
「何してたんですか?どうして亜美を幸せにしてやれないんですか?」
凌が椅子から立ち上がり、健太の襟を掴んだ
「殴ってくれ・・亜美の痛みに比べたら・・・」
「ふざけんじゃねーよ」
凌は拳で健太の頬を思いっ切り殴り、健太の口の横から血が流れた
それでも凌はまた健太を掴み
「亜美が、亜美がどんな気持ちだったかわかってるのかよ!」