やさしい手のひら・中編【完結】
朝、目覚めると健太が隣にいることにホッとした

私は昨日の夜、ポカポカした気持ちになり健太の胸で寝てしまっていた

健太が眠った私をベットに寝かせてくれたんだね

私は横に寝ている健太を黙って見ていた

忙しかったせいか少し痩せた?

「何見てんだよ」

「キャッ」

私の真上に来て私は両腕を固定された

「だって、見たかったんだもん」

フッといつもの笑顔で

「おはよう」

と、短いキスをして私の頬と健太の頬をくっつけた

「亜美…」

「うん?」

「昨日しゃべってたら寝てるし」

「ごめん。健太に触れてたらつい…」

「抱っこしたらかなり軽くなってた」

気付いた?

「あまりにも軽くてびっくりした…それが凄く切なくなった…」

「またご飯いっぱい食べて元に戻すから心配しないで」

「う…ん」

私は由里にも言われたが今回5キロほど体重が減っていた。そんなことまで健太にはわかってしまう

「ごめんな」

「もぉ、また謝るー」

「きっとここから帰ったら体重増えてるよ。お母さんのご飯おいしいから」

心配掛けたくなくて私は笑いながら言った

「そっか」

私は健太に寄り添い

「もう大丈夫だから」

そう言って健太の手を強く握り締めた

そして健太も強く握り返してくれる

お互い握り締めた手が不安を取り除いてくれるんだ

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