やさしい手のひら・中編【完結】
「亜美、今日クラス会じゃねぇの?」
「あっ!そうだった」
「何時?」
「6時かな」
「じゃ、一緒に家出よう」
「健太どこ行くの?」
「ライブハウス」
デビューしてから一度もこっちに帰って来てなかったよね
「帰りライブハウスから迎えに行くな」
「うん!」
病み上がりだからあまり長くクラス会にいるつもりはなかった
夕方になり、行く準備をして、私と健太は久しぶりに町へ出た
「懐かしいな」
何も変わっていないこの町は東京と比べ静かで、穏やかなままだった
「ここよく来たよな」
「うん」
私も懐かしくてやっぱり地元は落ち着くなぁ、と思いながら歩いていた
「ここかよ」
ライブの打ち上げをいつもしていた居酒屋が今日のクラス会の場所だった
「じゃ、私行くね」
「飲み過ぎるなよ。帰る時電話して」
「うん、わかった」
「健太」
「どうした?」
「キャップ深くかぶってね」
「おぉ」
私に言われてすぐキャップを目線まで下げた
歩いているだけでも健太は目立つから、少しでも顔を隠せるかな、と思った
「あとでな」
健太を見送ってから私はのれんをくぐった
「あっ!そうだった」
「何時?」
「6時かな」
「じゃ、一緒に家出よう」
「健太どこ行くの?」
「ライブハウス」
デビューしてから一度もこっちに帰って来てなかったよね
「帰りライブハウスから迎えに行くな」
「うん!」
病み上がりだからあまり長くクラス会にいるつもりはなかった
夕方になり、行く準備をして、私と健太は久しぶりに町へ出た
「懐かしいな」
何も変わっていないこの町は東京と比べ静かで、穏やかなままだった
「ここよく来たよな」
「うん」
私も懐かしくてやっぱり地元は落ち着くなぁ、と思いながら歩いていた
「ここかよ」
ライブの打ち上げをいつもしていた居酒屋が今日のクラス会の場所だった
「じゃ、私行くね」
「飲み過ぎるなよ。帰る時電話して」
「うん、わかった」
「健太」
「どうした?」
「キャップ深くかぶってね」
「おぉ」
私に言われてすぐキャップを目線まで下げた
歩いているだけでも健太は目立つから、少しでも顔を隠せるかな、と思った
「あとでな」
健太を見送ってから私はのれんをくぐった