やさしい手のひら・中編【完結】
中に入り店長に挨拶をし、奥の小上がりに向かい、戸を開けると、久しぶりの顔がたくさんあった

「亜美ー」

「久しぶり」

あちらこちらから声が聞こえ、私はみんなに挨拶をして由里の隣に座った

「大丈夫?」

体のことを言っているんだろう。私は

「うん、大丈夫だよ」

と、小さい声で言うと

「健太くん来た?」

「うん、2日の昼頃来たよ」

「そっか」

あれ?凌がいない…

「凌来て…」

由里に聞こうと思ったら、偶然にも凌が戸を開け入ってきた。やっぱり凌もみんなに声を掛けられていた

でも凌は迷わず私の隣に座り、すぐにタバコに火をつけた

「どう?」

たぶん凌も由里と同じで体のことを聞いているんだろうと思い

「大丈夫」

私はそう答えた

「それならいいけど」

凌にビールが回ってきて、凌はビールを飲み始めた

「お前らまだ付き合ってんのー?」

どこからか声が聞こえた

私は自分に言われていることだと思わず、目の前にあるご馳走を食べていた

「そうだったらどうする?」

凌が言った言葉に驚いて、凌の顔を見ると、意地悪そうな顔をして笑っていた

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