やさしい手のひら・中編【完結】
「Blacksの健太?」

「違うよ」

「いや、そうだよ」

そんな声が聞こえる中、私は健太と目が合い、バックを持ちコートを着て帰る準備をし

「由里、じゃあ私帰るね」

と、立ち上がった瞬間

「帰るな」

凌が私の手首を掴み、顔を少しだけ上げ、上目遣いで私を見ていた

「えっ…」

私はすぐに凌の顔を見ると切なそうな顔で私を見ていた

「亜美」

入り口では健太が私を呼ぶ

でも私は

「健太が呼んでるから、私行くね」

一歩前へ出ようとしたが凌は私の手首を離してくれず

「凌…」

「あっ、ごめん。俺今日変だよな」

と、私の手首を離してくれた

「じゃあ帰るね」

私はみんなに手を振り健太の前まで行くと

「亜美、東京でな」

そう言って私に手を振った

私は健太の目を気にしながらも凌を無視することは出来ず、

軽く笑って居酒屋を後にした

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