やさしい手のひら・中編【完結】
居酒屋を出てから健太の顔を見ることが出来ないまま、タクシーが止まるのを歩道で待っていた
健太も私に話し掛けてくれず、この沈黙がとても落ち着かずにいた
「真っ直ぐ帰る?」
「う、うん」
いきなり後ろを振り向き私はドキッとしてしまった。そしてギュッと私の手を握り、
「寒いだろ」
健太はフッと笑ってくれた
「怒って…ないの?」
「さっきの?だって亜美悪くないじゃん」
「でも…」
「あいつは亜美を助けてくれて、救ってくれた。だから今の俺はあいつにもんくを言える立場じゃない」
穏やかな口調で言った
「他の奴だったら殴ってたかな」
本当にそう思ってる?やせ我慢じゃないの?
「あいつには感謝してる」
遠くを見つめながら瞬きもせず言った
健太は握ったままの2人の手を自分のジャンパーのポケットの中に入れ、私の手を力強く握った
そして私も力強く握り返したんだ
健太も私に話し掛けてくれず、この沈黙がとても落ち着かずにいた
「真っ直ぐ帰る?」
「う、うん」
いきなり後ろを振り向き私はドキッとしてしまった。そしてギュッと私の手を握り、
「寒いだろ」
健太はフッと笑ってくれた
「怒って…ないの?」
「さっきの?だって亜美悪くないじゃん」
「でも…」
「あいつは亜美を助けてくれて、救ってくれた。だから今の俺はあいつにもんくを言える立場じゃない」
穏やかな口調で言った
「他の奴だったら殴ってたかな」
本当にそう思ってる?やせ我慢じゃないの?
「あいつには感謝してる」
遠くを見つめながら瞬きもせず言った
健太は握ったままの2人の手を自分のジャンパーのポケットの中に入れ、私の手を力強く握った
そして私も力強く握り返したんだ