やさしい手のひら・中編【完結】
「突然言われたら困るよな。ってか、気付けよ」

恥ずかしそうに笑って言った

「気付かなくてごめ…ん」

「いじめてたから気付かないよな」

私は新くんの気持ちに答えてあげれなくて、ただ自分の足元を見ているだけだった

「今までみたいに普通にするから。だから意識だけするのはやめて」

そう言ってくれる新くんの優しさに胸が痛む

「亜美は亜美のままでいて。告っておいて都合いいかもしれないけど…」

「チュッ」

一瞬だった。私のほっぺたに軽く触れるだけのキスをした

私はたぶん目を丸くしていただろう。すぐに自分のほっぺたに手を当てた

「隙をみせるからだよ」

「もぉー!」

「よし、帰ろう」

今度は腕を引っ張り私は、それに着いて行き、また助手席に乗った

「今日、俺んとこ泊まってく?」

意地悪そうな顔で言い、ゲラゲラ笑っている

「泊まらない!」

「すぐ本気にする。それがかわいんだけどな」

直球で言われて恥ずかしくなり、どう答えていいのかオドオドしていると

「バーカ」

いつも私をバカにする新くんだった

そんなことにホッとする自分はずるいのかもしれない

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