やさしい手のひら・中編【完結】
抱擁
次の日、新くんのことを引きずったまま目が覚めた

新くんが言ってくれたように、来週会った時には普通でいようと決め、私はベットから降りた

もう昼を過ぎていたので軽く昼食を取り、部屋の掃除をしてからシャワーを浴びて、私は健太の所へ行く準備を始めた

健太の帰宅が何時になるかわからないけど、先に行ってご飯でも作ろうかな・・・

そんなことを考えながら、マンション出た

健太のマンションの近くにあるスーパーに寄り、カレーを作ることにしたので野菜やカレールーをカートに入れ、スーパーの中を一人で探索していた

おいしそうな果物が並んでいる前で、真っ赤ないちごを手にし

「おいしそう」

大きな粒のいちごは甘い香りがして、見たからにおいしそうだった

それもカートに入れて

「忘れ物ないかな・・」

一人でブツブツと呟きながら会計を済ませ、マンションに向った

健太もいちごが好きなんだよな・・・

早くいちご食べたいな・・・

足取りが軽く、すぐに健太のマンションの前まで来てしまった

いつものようにエレベーターに乗って、財布からカードキーを出して、カードを差し込む

「あれ?」

ロックが解除されずドアノブを回すと

「帰って来てる?」

ドアノブが回りドアを開けた

何時になるか、わからないって言って・・・でも早く終わったのかな

ドアを開けた瞬間

「・・・・」

何も言えなかった。そしてこの目ではっきりと見てしまった・・・

私の目の前には健太がいて・・・

女の人と抱き合っている

女の人は背中を向けていて、誰なのかわからない。でも間違いなく抱き合っていて、私は健太と目が合った。何かしゃべりたいのに声か出なくて、動きたいの体がいうことを利かなくて・・・

「亜美!」

「誰?」

女の人は手を健太の首に回したまま振り向いた

佐原樹里だった・・・

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