やさしい手のひら・中編【完結】
健太は私を引き寄せ、顔を傾けキスをした

「上がろう」

そう言って私をお姫様抱っこをし、タオルで体を拭いてそのままベットに入った

2年間の溝を深めるように探り合い、愛おしいそうに私を抱く。私は健太に身を任せ、健太にしがみ付く。健太は私を求め、私も健太を求め、私達はお互いを求め合った


「亜美、愛してる」

そう言って、また唇を重ね私達はお互いを確認し合い、そして愛し合い、ひとつになった


「亜美、短大卒業したら結婚しないか?」

「えっ?」

「ずっと考えてたんだ」

ワァーン

「なんで泣くんだよ」

「嬉しいー」

思ってもいなかったことで、すごく嬉しくって、胸がギューってなり、私は嬉しさのあまり嬉し泣きをしていた

「また泣く」

「私で・・・いいの?」

「亜美だから言ってるんだけど」

うんうん、と私は何度も頷き、こんなに嬉しいことはなかった

「幼稚園の先生になってからでいい?」

「沖縄でも言ってたよな。幼稚園の先生になりたいって」

「健太が夢を追い掛けたように、私も先生になる夢を追い掛けたいの・・・」

「俺はいつまでも待つよ」

健太が私の頬に手を当てた

「指輪投げた?」

「ちゃんとあるよ」

私はタンスの前に行き、手を奥まで入れ、

「あった」

小さい箱を持って、健太に見せた

「この中?」

「うん」

健太はソッと蓋を開け、中から指輪を取り出した

そして、私の右手の薬指に健太とお揃いの指輪を付けてくれた

私は自分の指を黙って見ていた

二度と付けることがないと思い、健太とのこともこの指輪と一緒に封印したはずなのに。私はやっぱり健太への思いを止められなかった

「もう外さないこと」

「うん」

また私の指に指輪が戻ってきた

それがまた嬉しくて、涙が勝手に出てきちゃうんだ
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