やさしい手のひら・中編【完結】
どれもこれも高級マンションで選べと言われても、私には決めることが出来なかった

「いい所ない?」

「みんな凄い所で決められないよ」

プリントを見ながら健太に言った

「じゃあ、見に行こう」

そう言って椅子から立ち上がり

「マンション見せてもらっていいですか?」

「いいですよ。ではこちらの車に乗って行きましょう」

私は健太に手を引かれながら裏の駐車場へ行き、どこのマンションへ行くのかわからないまま車に乗っていた

不動産から10分ぐらい走った所で止まり

「ここの最上階です」

車から降り、目の前に建つマンションは首を後ろまで曲げないと見れないほど高いマンションだった

男の人の後に続きエレベーターに乗ると男の人は40階のボタンを押した

えっ、40階?

また私は驚き健太の顔見た?

うん?と首を傾げ

「気に入らない?」

ううん、と私は何度も首を横に振った

こんな贅沢な所に住むなんて考えてもいなかった

最上階に着き、私達は部屋へと入ると

「わあー」

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