やさしい手のひら・中編【完結】
早いものでもう週末になり、今日が引越しの日となった

朝から引越しセンターの人達が何度も玄関を出たり入ったりしていた

「全部業者がするから亜美は見てていいから」

「うーん、でも自分の引越しなのに見てるのって・・・」

「いいから」

そう言われ結局私は何もせず、黙って健太と引越しセンターの人達を見ていた

「忘れ物ない?」

部屋の中には、何一つ荷物がなくって、何もないせいかとても広く感じた

ここから始まった私の東京生活。別れもあって出会いもあった。一人暮らしの寂しさを実感した

でも今日から健太がいつも傍にいてくれる。ツアーが入ると帰って来ない日もあるけど、待っていれば必ずあのマンションに帰って来てくれる。私も健太も帰る場所は一緒だから・・・
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