やさしい手のひら・中編【完結】
さすが引っ越しのプロと言うだけあって、私の荷物と健太の荷物はすぐに運ばれ、マンションの中はあっという間に片付けられた

「部屋らしくなったな」

「うん。2人だけならまだまだ終わってなかったね」

家具を全部入れてもまだ部屋が余っていて健太はゲストルームと言って笑っていた

「腹減らない?」

「うん、空いた」

「ピザでも頼む?」

「うん」

すぐに健太が宅配ピザに電話をしてくれて20分ぐらいでピザは届いた

「うまい!」

おいしそうに食べる健太を見ていたら

「ほら、亜美もたくさん食べれよ」

と、私の口にピザを運んでくれて私は口を開けピザを口に入れてもらった

「ほら甘えん坊だ」

「だってー」

健太だから甘えられるんだよ

「自分で食べれるもん」

ふくれた私のほっぺたを健太は人差し指で押し

「かわいい」

そう言って微笑んだ

私は自分がやった行動と健太が言った言葉が恥ずかしくて顔を真っ赤にしていた

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