やさしい手のひら・中編【完結】
「全部飲みやがった」

「ヘヘヘ」

案の定、私は酔っていて体がフワフワしていた

健太の顔も二重に見えて可笑しくもないのになぜか可笑しくって笑っていた

「酔っ払い」

「酔ってないもーん」

そんな私を見て健太も笑う

「亜美は酔うといつも笑ってるよな」

「酔ってないってー」

「じゃあ、こっち来て」

健太が座っている方のソファに移動しようと思って立ち上がろうとした瞬間、

「キャッ」

酔っていないと嘘をついていた私は足元がフラフラでバランスを崩して健太の上に倒れこんでしまった

「ほら酔ってるじゃん」 

私の下にいる健太は意地悪な顔をして言った

当たっていることに何も言えない私は笑って誤魔化していた

「亜美のことはなんでもわかるんだからな」

そう言って私の頭を押さえ、健太の顔に近付けた

そして私達は唇を重ね合った
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