やさしい手のひら・中編【完結】
「ンッ…ンッ」

健太はガラス細工を扱うかのように優しく私を抱いた

体中にキスをし、そして私の弱い所がわかっているかのように攻める

私は健太に快楽を求めた

「もう…だ…め」

「俺も…」

健太が私の上に重なり、私達は愛し合い、お互いを求め一つになった

それから私と健太は疲れ果て、健太の体にピッタリくっつき、甘えていた

そんな私の髪の毛を触りながら

「体大丈夫か?」

「大丈夫だよ」

「無理させたな」

「ううん」

健太が優しかったから…大丈夫だった

「6月からツアーに入ることが決まった」

「うん…」

「全国ツアーだから泊りの日もある」

「うん」

「俺は行きたくない。亜美を一人にして行くのが…」

そう言って私の頭を健太の頬に付けた

「仕事なんだから仕方がないんだよ」

一人は嫌だけど、我が儘ばかり言えない。由里だって祐介くんがいない時は一人なんだし…

「私はここに帰って来る健太を待ってるよ」

「…ごめんな」

謝らないで…健太

私なら大丈夫だから…

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