やさしい手のひら・中編【完結】
8時頃家に付き、まだ健太は帰っていなかった

携帯をポケットから出しテーブルへ置こうとしたら着信ランプが点滅していた

「誰だろ?」

携帯を開くと

「あっ、田村さん」

田村さんから2回も着信が入っていて、バイブにしていたのでまったく気付かなかった

私はすぐ田村さんに電話をした

「もしもし、亜美ですけど」

「亜美ちゃん?元気だった?体調の方はどう?」

「お休みしてすいません。もう大丈夫です」

私は新くんのことがあってから調子が悪いという理由で仕事を2回も休んでいた

「明後日仕事入ってるんだけど大丈夫?」

もう逃げてはいられない

「大丈夫です」

「いつものスタジオに4時集合で」

「はい、わかりました」

「じゃあ、待ってるわね」

電話を切り、

「はぁ」

ため息をついた

さすがにもう仮病は使えない。いつまでも新くんを避けることはできないんだ

私は憂鬱な気分になっていた
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