やさしい手のひら・中編【完結】
悲歌
次の日、疲れたせいか私は昼まで寝ていた

起きて洗濯をしたり、掃除をしたりして、健太が何時に帰宅するのか気にしながら買い物に出掛けた

そして晩ご飯の準備をしている時だった

ピンポン

ドアホンが鳴り私は画面を見て見ると

「なんで…?」

足がすくみ手が震えだす

ピンポン

何度もしつこく鳴らしてくる

私は居留守を使うべきなのか、どうしたらいいのかわからない

それでもドアホンは鳴り続く

「は…い」

あまりにもしつこいため恐る恐る返事をした

「いるなら早く出てくれない?話があるんだけど」

テレビで見る顔と違う、これが本当の姿なのか、きつい言い方をする佐原樹里だった…

「なんの用ですか?」

「いいから早く部屋に入れなさいよ」

嫌だ。この部屋には絶対入れたくない

「私がそっちに行きます」

そう言って私はボタンを離した

携帯だけを持ち、私はドアを閉めエレベーターの前に来た

どうして来たの?話って何?不安で不安で心臓がドキドキする

私は話なんかない


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