やさしい手のひら・中編【完結】
♪♪♪~

握っている携帯が鳴っている

画面を見て見ると

「健太…」

健太からの着信だった。私はゆっくりボタンを押した

「もしもし」

「亜美どこにいる?」

少し息を切らした健太の声

「あ…卵買い忘れちゃって」

「鞄も財布もここにあるけど」

咄嗟についた嘘がばれてしまった

「何があった?」

「…」

「何かあったのか!」

どうしよう…

「優香が彼氏と喧嘩しちゃって近くにいるからって飛び出しちゃった」

また下手な嘘をついてしまった

「向かいに行くから今どこ?」

「もう近くだから大丈夫」

「いいからどこ?」

私は近くにあるコンビニの名前を言うと

「わかった。待ってろよ」

と、言われ携帯を切られてしまった

なんとなか健太の口調が怒っている感じがしていた

ちゃんと普通にしていないと健太に感付かれる

私はそう思い、深呼吸をして健太を待った

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