やさしい手のひら・中編【完結】
私のマンションに着き、部屋に入るとキッチンがきれいになっていた

「健太茶碗洗ったの?」

「あぁ」

「洗わなくてもいいのに」

「自分で食べた物ぐらい洗えるし。朝ご飯うまかった。久しぶりに亜美の手料理食べた」

「おいしかった?よかったぁ」

「カードキーもらっていいの?」

「うん。持っててほしいし」

私が奥の部屋で着替えていると健太が小走りで走ってきて、私に抱きついてきた

キャッ

「突然どうしたの?」

「めちゃ嬉しい」

「何が?」

「カードキーもらえたから」

健太は強く私を抱き、嬉しそうに微笑んでいた

「俺のもあげる」

そして健太の家のカードキーを渡された

「いいの?」

「うん」

お互いのカードキーを交換した。なんだかそれが宝物を見つけたような気分で私は嬉しかった

着替えの途中で下着のままだった私を見て、

「相変わらず細すぎ。ちゃんとご飯食べれ」

「食べてるもん」

健太の顔が私の前まで近づいて来たのでキスをされると思ったら、私の首に行き

「俺のもん」

そう言って赤い印を付けた。鏡を見てみると

「首から見えてるよ」

「いいの」

「もぉ」

「おいで」

と、私の手を引っ張り、もう一度健太に抱かれキスをされ、私は健太の温もりをもらった

「俺んちに集まることにしたから、明日うちから短大行ったら?」

「うん。そうする」

お泊りの準備をし、由里と駅で待ち合わせをして健太と迎えに行くことを言った

「出れるよ」

「行くぞ」

私と健太は近くの駅に向った

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