やさしい手のひら・中編【完結】
私は一人じゃないことに安心して眠ってしまっていた

昼を一緒に食べて、「まだ泊まっていいぞ」と新くんは言ってくれたけど私は帰ることにした

「一人で大丈夫なのか?」

「うん。大丈夫。送ってくれてありがと」

マンション前まで送ってもらい、私は車を降りた

心配そうな顔で新くんは私を見ている

「ほんとに大丈夫だから」

「何かあったら絶対電話すれよ」

「うん。わかった」

私は笑顔で新くんに手を振ると新くんも手を振ってくれて、車は発進して行った


それから一週間が立ち、私は健太との別れを親に言った

そしてマンションを出て、一人で住むことを伝え、また引越しをしなくてはならないことに申し訳なく思った

でも親は何も言わず私を責めることも健太を責めることもしなかった

前の住んでいたマンションは解約をしているため、また新たにマンションを探さなくてはならない。安くて短大に近いマンションを探し出し、小さい部屋だけど今の私には十分だと思い3階建てのマンションに決めた

引越しも自分で済ませ、誰の手も借りず終わらせた

私は健太との思い出のマンションにさよならをしたんだ

自分の中の健太を思い出に変えて、新しい住居でまた一からやり直そう

そう決意した


それからだった・・・

また私はショックを受けることになるんだ
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