やさしい手のひら・中編【完結】
次の日、早く起き、私は凌からもらった地図を見ながら凌のマンションへ向った

「こっちかな?」

迷いながら、地図を見て探し、家を出てから30分が立っていた

目の前にマンションの名前が見え、ようやく辿り着いた

5階建てで凌の部屋は一番上の5階だった

「ここだ」

私はエレベーターに乗り、5階のボタンを押し凌の部屋の前まで行った

私が来たのを見ていたのか、すぐにドアが開いて

「迷った?」

「うん・・・かなり遅いよね」

「徒歩20分でくるはずなのにな」

私が迷子になったことが可笑しかったのか、私を見て笑い

「迷うと思ったよ」

そう言って中へ入って行った。私もその後に続き凌の家へ上がった

「えっー!」

リビングを見るとまだ片付けがまったく終わっていなく、散らかったままだった

「昨日、亜美んとこから帰ってすぐ寝てしまった」

「もぉ、だめじゃん」

私はすぐに片付けに入り、凌と一緒にダンボールを開け作業を始めた

2時間ほど2人でやったせいか、足元の荷物もなくなり、部屋の中もすっきりし、お腹が空いたのでご飯を食べに外へ出ることにした。ここに来て初めて都内へ出る

「どこ行く?」

東京のことを何も知らない私達は、どこへ行けばいいのかわからなくて、とりあえず中心部に行こうと言うことになり、地下鉄に乗って町へやって来た

とにかく人がいっぱいで、歩くたびに人とぶつかる。私の地元では考えられない状況だった。しかも今日は休日ではないのでサラリーマンの人がたくさん歩いていた

「なんか、すげぇ」

「うん・・・」

人混みの中、私も凌もあまりのすごさに唖然としてしまい、やはり都会だというのを実感した

「とりあえず、どこかに入ろう」

凌が私の手を引き、近くにあったお店に入った

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