やさしい手のひら・中編【完結】
「人生ってわかんねぇよな」
健太が窓の方を見ながら真顔で言った
「こんなにBlacksが売れるなんて思っていなかったし、亜美とも会えるとも思っていなかったし」
「こっち来た時はどうだったの?」
私は東京に来た最初の頃のことをずっと聞きたかったので健太に聞いてみた
「がむしゃらだったな。みんな必死でさ、ほとんど寝ないでレコーディングとかして、右も左もわかなくて、何度も歌も曲も取り直して、これでやっていけるのかってすんげぇ悩んだ時があった。それで何度も亜美に電話したくなって。でも電話出来ねぇのな」
今は笑って話してくれているけど、きっとすごく辛い思いをしてきたんだと思う
「健太なんか酔うたびに亜美、亜美って叫んでよ」
「言うなよ」
「それでそれで」
由里もおもしろそうに祐介くんに聞く
「会いてぇとか、奪ってやるとか、もう健太酔うたびみんな困ってたわ」
「うるせぇ」
酔っている健太を想像するとそれが可笑しくって、私までも笑ってしまった
「それだけ亜美のこと忘れてなかったってこと」
健太は私の頭に手を置き、撫でながら微笑んだ
「またバカカップルかよ」
昔みたいにまた祐介くんに言われてしまい、みんなで笑っていた
4人でいると昔に戻ったようで懐かしくて、心地よかった
「俺ら帰るわ」
時計を見るともう12時を過ぎていて、由里と祐介くんは帰る準備を始めた
私は一言由里に言いたくて
「由里、頑張るんだよ。由里言ったよね。好きな人同士は一緒にいるべきだって。なんかあったら私に電話して。そして祐介くんが待ってること忘れないで」
「ありがとう亜美」
「ちゃんと別れてくるから」
そう言って由里と祐介くんは帰って行った
でもなんか由里のことが気になって仕方がなかった
健太が窓の方を見ながら真顔で言った
「こんなにBlacksが売れるなんて思っていなかったし、亜美とも会えるとも思っていなかったし」
「こっち来た時はどうだったの?」
私は東京に来た最初の頃のことをずっと聞きたかったので健太に聞いてみた
「がむしゃらだったな。みんな必死でさ、ほとんど寝ないでレコーディングとかして、右も左もわかなくて、何度も歌も曲も取り直して、これでやっていけるのかってすんげぇ悩んだ時があった。それで何度も亜美に電話したくなって。でも電話出来ねぇのな」
今は笑って話してくれているけど、きっとすごく辛い思いをしてきたんだと思う
「健太なんか酔うたびに亜美、亜美って叫んでよ」
「言うなよ」
「それでそれで」
由里もおもしろそうに祐介くんに聞く
「会いてぇとか、奪ってやるとか、もう健太酔うたびみんな困ってたわ」
「うるせぇ」
酔っている健太を想像するとそれが可笑しくって、私までも笑ってしまった
「それだけ亜美のこと忘れてなかったってこと」
健太は私の頭に手を置き、撫でながら微笑んだ
「またバカカップルかよ」
昔みたいにまた祐介くんに言われてしまい、みんなで笑っていた
4人でいると昔に戻ったようで懐かしくて、心地よかった
「俺ら帰るわ」
時計を見るともう12時を過ぎていて、由里と祐介くんは帰る準備を始めた
私は一言由里に言いたくて
「由里、頑張るんだよ。由里言ったよね。好きな人同士は一緒にいるべきだって。なんかあったら私に電話して。そして祐介くんが待ってること忘れないで」
「ありがとう亜美」
「ちゃんと別れてくるから」
そう言って由里と祐介くんは帰って行った
でもなんか由里のことが気になって仕方がなかった