やさしい手のひら・中編【完結】
短大の前に着き、繋いでいた手を離した

「いってらっしゃい」

私は笑顔で健太に言った

「寂しくなったら電話でもメールでもいいからして」

「うん」

ドアを開けようとした時、私の左手をまた掴み

「亜美」

またお互いの唇を重ね、何度も角度を変え、何度も絡め合い

「行って来る」

「気を付けてね」

私は車から降り、健太に手を降った

健太の車が見えなくなるまで、私はずっとその場に立っていた

「行っちゃった…」

健太は行ってしまった。たったの2週間と自分に言い聞かせた。車が見えなくなり、私は短大へ入って行った
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