やさしい手のひら・中編【完結】
「頭痛ーい」

頭を上げると頭がズキンズキンして、もう一度枕に戻った

「大丈夫か?」

凌が目を覚まし、私の顔を除き込んだ

「もう飲まない」

「いつもそう言って飲んでるじゃん」

私は布団で顔を隠し、自分がやってしまったことに後悔した

「私なんで下着だけなの?」

「知らねぇの?」

「・・・うん」

凌は大笑いして

「自分で服も脱げなくて、俺が脱がしてやったの」

「やだぁ、もぉ」

恥ずかしくなり、布団から出ることが出来ない

「甘えた亜美はもっとかわいいから」

そう言って布団をめくられ、私の顔の前に凌の顔が近づいた

「おはよう」

そう言ってキスをしてくれた

「薬飲む?」

「うん」

二日酔いの薬と水をベットまで持って来てくれて、また凌は布団に入った

「入学式までまだ2週間ぐらいあるな」

「うん」

「俺達も慎達みたく一緒に住めばよかったな」

凌は天井を見ながら私にそう言った。なぜか私達はお互い、一緒に住むことを言わなかった。私も同棲ということが頭になかった

「落ち着いたら、どっちかの家に引っ越して一緒に住もう」

「そうだね」

どうして私も一緒に住もうと言わなかったのだろう・・・

自分でもよくわからなかった

「今日はどうする?」

「私の家に行く?私ご飯作るよ」

「行くわ」

今日は私の家に行くことにした。薬を飲んだお陰か、いつの間にか頭の痛みもなくなっていた
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