やさしい手のひら・中編【完結】
「いただきますっ」

みんなで朝ごはんにした

「亜美、料理できるんだね」

「亜美のご飯はめちゃくちゃおいしいんだよ」

優香と由里はおかわりまでしてくれて食べていた

みんなで片付けて、「今日は何する?」そんな話をしていたら

ピンポン

インターホンが鳴ったので、私はソファから立ち上がり、玄関まで行きインターホンを見てみた

「えっ!」

画面には、2ヶ月ぶりに見る凌が映っていた

「なんで・・・」

「亜美、誰?」

私の後ろで由里が私に聞いた。何も答えない私の方へ由里が近寄り画面を見て

「何しに来たの?亜美、私出る」

由里が受話器を取り

「由里だけど。どうしたの?」

冷たい声で由里は凌に聞いた

「佐藤?慎が・・・会いたいって。連絡つかないから亜美に聞こうと思って来たんだけど」

「慎が?」

「謝りたいって。今、向こうにいるんだ・・・」

「えっ」


由里は驚いた顔をし、一瞬体がビクッと震えた

私は家に居れることは出来ないと思い、近くの喫茶店で待ち合わせようと思い、由里から受話器を取り

「30分後に喫茶店で待ち合わせしたいんだけど、いいかな?」

「わかった」

凌は一言だけ言って、画面から消えて行った

「由里、大丈夫?」

「うん」

「このままじゃいけないよね?引越しもまだだし。だから、一度会ってちゃんと話そう。私も優香もいるから大丈夫だから」

「うん・・・」

会いたくないと思う由里の気持ちもわかるし、私も凌に合わせる顔がないと思っている。でも今会わないと由里も何も身動きできないし・・・だから会うことを由里に勧めた

優香にも事情を話すと、「3人で行った方がいい」と、言ってくれた

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