やさしい手のひら・中編【完結】
今日、田村さんに言われたことを思い出しながら、私はリビングにいた

健太からの電話はまだ来る時間ではないのに、私は何度も携帯を閉じたり、開いたりしていた

ソファでゴロゴロしてたら、携帯が鳴りすぐ画面を見た

「はい!」

「亜美?」

「うん」

健太・・・声聞くだけでドキドキするし、会いたくなる

「あともう少しで帰れるからな」

「うん、あと1週間だね。なんだか、何か月も離れてるみたい」

「そうだな。でもまだ1週間しか経ってないんだよな・・」

あと7日間の辛抱

「健太ぁ、話しがあるの」

「うん?」

「今日マックで田村さんに会ったの」

「あの時の?」

「うん。ほんと偶然でね・・・それで田村さんが」

「ちょっと待て。嫌なことか?」

「嫌じゃないと思うけど」

「いいよ、言って」

「うーんとね、モデルやらないかって」

「なんの?」

「雑誌の・・・だめかな?健太と相談してから返事するって言ったから、まだ返事はしてない」

なんかドキドキした

「亜美したい?」

「バイト探してたし、やってみたいとは思う」

「亜美がしたいならいいよ。でも・・・」

健太は何か言いたそうだった

「でも、俺の休みの時は仕事しないでほしい」

「うん。私もその時は仕事しない」

「あと・・男に気をつけること」

「やっていいの?」

「いいよ。亜美したいんだろ?」

「うん、やってみたい」

「じゃあ、頑張れ。田村さんに電話しておくわ」

「うん。ありがと」

健太から許しをもらって、私はモデルをすることに決めた

どうなるかわからないけど、バイトだしと思いながら、ワクワクしていた
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