やさしい手のひら・中編【完結】
田村さんに連絡をしたら、とても喜んでくれて、早速仕事の話が来て3日後に行くことになった

場所と時間を聞いて私は今撮影現場へと来た

「ここかな?」

大きなビルの前に立ち、上を眺めていた

「亜美ちゃん!」

ビルの中から田村さんが出てきて、

「ちゃんと来れたのね」

「はい。なんとか」

「川崎くんから電話あって、よろしくお願いしますって言ってたわよ。川崎くんらしいわね」

「はい。健太がやっていいって言ってくれたんでよかったです」

「よし、じゃあ中に入って早速打ち合わせするわね」

「はい」

私は田村さんの後ろを着いて行き、周りをキョロキョロしていた

さっきからとてもきれいな人とばかりすれ違う。なんだか自分がここにいていいのか、モデルをすることをちょっと後悔した

「こっちよ」

会議室と書かれた部屋に私は入った。えらい人っぽい人達が3人いて、あと外人みたいな男の人が1人。とてもドキドキしながら

「福田亜美です。よろしくお願いします」

深々と頭を下げた

「田村くんの見る目はすごいねー僕の思っていた以上だね」

ひげの人が私を見て言い、すぐ田村さんに向きを変え
言った。私にはなんのことか全然わからなかった

「亜美ちゃん?だね」

「はい」

「短大生で今年19歳かな?」

「はい」

「モデルは初めて?」

「はい」

「亜美ちゃん、違うでしょ。一度雑誌に写真載ってるでしょ」

「あ、あれモデルですか?」

「そうよ」

「昔、1度だけ雑誌に載りました」

「Blacksのボーカルとだね」

「あっはい」

こんなことまで聞かれると思わなくて、緊張してきた

「今日は、そこにいる男の子と一緒の撮影だから」

「えっ、女の子だけじゃないんですか?」

思わず大きい声を出してしまった

「急遽、変更になったのよ。ごめんね」

「あっはい・・」

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