やさしい手のひら・中編【完結】
「はーい、今日は終わりです」

やっと終わり、3時間ぐらいの撮影だった。着替えやらでかなり疲れてしまい、私はぐったりだった

着替室へ行くため廊下を歩いていたら

「また一緒に仕事しような」

新くんが私を追い掛けてきた

「私なんかとやるより、もっと本物のモデルさんとの方がいいと思うけど・・・」

「そりゃ、そっちの方が動きもわかってて楽だろ」

なんかその言い方に腹が立ってしまい

「じゃ、別のモデルさんと仕事して下さい」

私はそれだけ言い、先に歩いて行った

「ちょっと待って」

「何」

「俺は亜美と仕事したいんだけど」

突然、真顔で私を見て言った

「なんで、呼び捨てなの?私、新くんのこと何も知らないから」

「じゃ、一緒に仕事して知っていけばいいから」

「はあ?私、素人なんだよ。なんで私と一緒の仕事にこだわるの?」

新くんが言ってることがわからなくって、頭にきていた

「次の仕事も俺と一緒だから」

そう言ってさっさと歩いて行ってしまった

なんだかとっても気分が悪くてイライラしている自分がいた

「なんなの一体」

ブツブツ言いながら、私は自分の服に着替えていた

なんか新くんの態度が気に入らなくて、次こそは女の子同士で撮影したいと思っていた

電車で帰るため駅まで来た。でも帰るには早いなと思い優香に電話をしてみた

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