やさしい手のひら・中編【完結】
「はぁい」

「優香、寝てた?今、暇?」

「どうした?」

「撮影の帰りなんだけど、帰るには早いなって思って」

「いいよ、おいで」

「やったぁ、今から行くね」

優香がおいでって言ってくれたので、遠慮なく行くことにした

ピンポン

「開いてるよ」

中から優香の声が聞こえて、私はドアを開け

「お邪魔しまーす」

中へ入って行った

「どうだった?仕事」

私は聞かれてすぐに、

「もぉ、聞いてよ」

と、新くんのことを話した

「亜美、あんた幸せ者だよ」

「はあ?」

「新でしょ?ハーフの」

「ハーフなの?」

「はあ…なんにも知らないでモデルかい」

「何、教えてよ」

「親は有名ブランドの社長で、母親が元モデルでイギリス人。そしてその子供が新なの。でね、今超人気のモデルで雑誌とかじゃ、引っ張りだこよ」

「へー」

「ちょっとは驚いてよね」

「なんか人をバカにしてるのか、わからないけど私と仕事したいとか言って、今回一緒に撮影したんだけど、次も一緒だとか言うんだよ!」

「気を付けなよ。噂だけど、あの顔だからかなりモテてて、女をとっかえひっかえしてるって聞いたけどね」

「だろうね、軽そうだもん」
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