With a smile
「確認お願いします」

なんとか出来たつもりだが、自信は無い。

ドキドキして、カイさんが目を通している時間がとてつもなく長く感じる。

間違いだらけなのかな、遅いって言われるかな。

「OK」

やったーーー、頭の中でガッツポーズ。

「すぐにプリントアウトします。何部くらい必要ですか?」

自然に声が弾む。

「いや、明日でいい。今日はもう遅いから帰るぞ。ああ、頑張り屋さん、なんだっけ?」

わざと思い出したかのように付け足してクスッと笑った。

またバカにされてるー、もう、部長が変な事言うから。

でも今日はいいや、気分が良いから。



もうほとんど人の残っていない会社を2人で出て、駅までの道を並んで歩いた。

カイさんは日本にいる間、駅前のホテル住まいだった。



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