With a smile
「どれくらい?」そう聞こうとして顔を上げると、

・・・出たっ!

苦手な総務の子達が向かいに座っていた。

「聞いてるー?」

あからさまに不機嫌な顔で睨まれた。

「だから、カイトって人!超イケメンだけどなんか近づき難い感じじゃん?怖い?」

またそのテの話か、そればっかりだなこの人達は。

「別に普通、・・・優しいよ」

しょっちゅうバカにはされてるけど、辞書貸してくれてるし、駅まで送ってくれたし。

「ふーん、ハーフの男だからレディファースト的な?いいかも」

「でもアメリカに帰っちゃうんでしょ?」

「期間限定ってのも盛り上がるじゃん」

「メンドクサイこと抜きで即ホテル!」

「Hもすごそうだしねー」

もうホント嫌いだこの人達。

次々と下品な言葉が出てきて、合間のギャハハーというバカ笑いが耳に痛い。

そんなことより建都さんの事が聞きたいのに、はぁぁ。




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