With a smile
時間通りに3台の運転手付きの高級車が到着し、見学会は始まった。

まずは、ウリのひとつでもあるプールのある屋上へと案内する。

ここからは海が一望でき、最初のインパクトとしては最高。

キラキラ揺れる水面に奥さん方から小さな歓声があがり、ユージくんは「プール、プール」と喜んでくれている。

「実際にも海の見える場所を用意しております。西海岸の海はコバルトブルーで、もっと澄んでいます」

カイさんの言葉と共に、タイミングを見計らった様に心地良い風が吹いた。

屋上を堪能した後は、上から下へと各部屋を回っていく順路だ。

それぞれの良い点をさり気なくアピールしながら、細かい質問にも完璧に答えていく。

落ち着いた低めの声、いつものカイさんの様子に私の緊張はほぐれていく。

お客さん達の反応も良く、順調だ。

< 108 / 176 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop