With a smile
「オレ怒ってるんじゃないぞ、あー、なんだっ、お腹痛いのかっ?」

完全にテンパってる、無駄な事はしないカイさんが無駄にアタフタして、こんな姿初めてだ。

私が泣いたところで困らせるだけだけど、涙が止められない。

あちこちポケットを探してやっと見つけ出したハンカチで、私の頬を不器用に拭っているカイさんのブルーの目とその前で揺れる黒髪が胸を締め付けた。

「嫌いだなんて、言わないで下さい。建都さんは、いい人なんです。建都さんは・・のうのうとなんて生きてきてないし、・・・嫌いだなんて・・」

頬の手が固まった。

「マッキーは、あいつの、・・・恋人なのか?」

あいつの、その言葉にはトゲトゲしさを含んでいた。


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