With a smile
「違いますっ。ただの・・・仕事の仲間です」

「だったら気にしなくていい。仕事には関係ないから」

まだ止まらない涙を拭きながら、冷静に言った。

「気になりますっ。私にとって建都さんもカイさんも大事な仲間なんです」

カイさんは目をそらし、大きく息を吐くとハンカチを私の手に握らせた。

「サンキュー」

そう言ってスッと席へと戻った。

だけどあの時みたいな笑顔もウィンクも無い。

この話は終わり、そういうサンキューだ。

私の言葉を受け入れたのではなく、聞き流した。

私の勝手な気持ちと、陳腐な言葉なんか伝わらない。


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